スポンサーサイト

Category : スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

mixture act30

Category : SS-mixture-
人間ができてない奴なので、今実はちょっと傷心中なのですが(笑)、ちょうどそんな時にYさんという方から嬉しいお言葉をもらって嬉しさで超涙目になって、勢いで仕上げたら誤って保存されずにめげそうになりましたが…なんとかまた勢いで仕上げて…mixture、そんなこんなで再開です!

あのあの、Yさま…
はじまりのうたは、シリーズの予定ですのでまだまだ続きますよ^^
続くというか、1話完結式のお話が続くというか…思いついたお話を思いついたまま書き綴っていきますですv
嬉しいお言葉をありがとうございますm(_ _)m


では本編を~…
PCの方は、畳んでます。
携帯の方、数行後より本編始まります!
一応、今回は話しが動き始める手前の部分から、始まります。
ちょっとでもお楽しみいただければ幸いです^^
(無理かも…)









真之助という男は、物忘れがとにかく酷い。だが、無口で実直な男だった。
出会ったのは高校の時。入学間もなくの頃のこと。
始めのうちこそ、その物忘れの酷さに驚き振り回されもしたが、それ以外は普通で、付き合っていくそのうちにその人柄に触れ、そんなことにも慣れてしまった。
何故かと言えば、そんな奴だったからだ。彼とは、それ以来の付き合いとなる。

     ■

朝食を片付けると、乱馬たちは各々準備をし、貸別荘に併設されているテニスコートにやってきた。
そこに突然大輔が、乱馬に勝負を挑んできた。
売られた喧嘩はなんとやら、乱馬がこれに受けて立たないわけはなく、かくて大輔と宏対乱馬のゲームで幕を開けた。
「うっしゃ! 俺の勝ちっ!」
乱馬は嬉しそうにガッツポーズを決める。
「あ゛ーっ! 負けたあーっ!」
「くそっ…! 相変わらず常人ばなれした身体能力しやがって…」
対して、コートの向こう側では大輔と宏がそれぞれ苦々しく言葉を漏らす。
「へへーん! お前らとは常日頃から鍛え方が違うんだよ」
得意気に乱馬が胸を反らす。
「ぢぐじょー! おい宏、特訓だ!」
「おうっ! やろうぜ大輔!!」
「真之助っ! 手伝えっ!」
2人は結託し、決意を新たに真之助まで巻き込もうと、彼を手招きで呼び寄せる。
「いや、俺は遠慮しておく。」
だが、その言葉に一蹴されると、
「くそっ!この裏切り者めっ!」
「真之助なんて、後で入れてくれなんて言ったって入れてやんねえからなっ!」
ぶつぶつと文句を言いながら、そのうち2人でラリーを始めたようだ。
「ったく、あいつら好き勝手言いやがって…」
コートの脇の、真之助が座るベンチの背もたれに掛けてあるタオルに手を伸ばして、乱馬はコートを振り返る。
相変わらず騒がしい奴らだと呆れつつ、こんな風にふざけ合うなんて本当に久しぶりで、それが楽しくもあった。

「乱馬…」
「どうしたんだよ? そんな思い詰めたような顔して」
それに比べて、真之助のこの沈んだ表情はどういうことだろうか?
昨日は、普通だったはずだが…
じっと見上げられ、汗を拭いつつ乱馬も腰を下ろした。
「話がある」
乱馬が座ると真之助は正面に向き直り、膝の所で手を組んで俯いた。
「? 何だよ?」
ふざけたようには見えない程度に、努めて明るく問い返す。

「お前、あかねのことどう思ってるんだ?」

だが、突然の真之助からの問い掛けに、乱馬の顔から笑顔が消える。
目を見開き、口を真一文字に閉じ――、真之助を見つめる。
一瞬、聞き間違いではないだろうかと自分の耳を疑ったりもしたが、真之助の表情が聞き間違いではないことを示していた。
「…何を……」
やっと出たのは、疑問符にならない疑問符。
何故突然この男はそんなことを聞いてくるのだろうか?
「俺は真面目に聞いてるんだ」
そんなことは分かっている。そういう冗談を言える男ではないことくらい。
「真之助…お前……」
「お前はあかねをどう…」
更に真之助は乱馬に詰め寄ってくる。
「ちょ、ちょっと待てよ。いきなりっ…」
少し腰を浮かせて、慌てて真之助を制す。
「……」
真之助はまた俯く。
「どうしたんだよ、本当に」
苦笑いするような曖昧な笑みを張り付けて、乱馬は真之助を宥める。
だが、今度こそ乱馬は、真之助の言葉に表情も言葉も無くしてしまった。
「……俺、あかねが好きだ」
そう言う真之助の表情は堅い。
「!」
「乱馬、お前はどう思ってる?」
そして矢継ぎ早なその問い。
喉奥が渇いて、うまく声が出てこない。

「そ、そりゃ、嫌いじゃねえよ…」
やっと出てきたのは、そんな言葉。曖昧でしかない。



「でもお前が言う『好き』かどうかは…そんな風に考えたことねえから、正直わかんねえよ…」
なんと言っていいか分からないまま、乱馬は言葉を選びながら今の自分の正直な気持ちを伝える。結局曖昧でしかなかったが。
「――なら……、あかねに言ってもいいか? 俺の気持ち」
どくん、一際大きく心臓が跳ねる。

あかね――
彼女とは、この4月か5月か――入学して間もないころに、ひょんなことから出会った。
それまでは女など面倒臭いとしか思っていなかった。だが、まるきり同じように考えている女の子と出会った。
その時に意気投合し、それ以来ずっと友達として付き合ってきた。
そんな女の子を、恋愛対象として見たことはなく――乱馬は真之助の告白をどこか遠くに聞いていた。

「……」
あかねは、今自分といちばん親しい女の子だ。
あかねの気持ちは分からないが、仲はまあ悪くないとも思っている。
そんなあかねを、真之助が?
こんなこと、真之助が冗談に出すことはない。だが、冗談として取りたかった。
「俺、お前とは親友だと思ってるから、お前があかねと付き合ってたり好きなんだとしたら、諦めるつもりでいたんだ」
真之助の一言一言噛み締めたような物言いに、少しずつ自分を取り戻す。
「…俺たちはあくまで友達だよ」
そう。そうでしかない。それ以上でも以下でもない。ましてや、自分の気持ちすら、判らない。今は、まだ。
――まだ?
思い返して、疑問符を自身に投げかける。
「なら、いいか?あかねに俺の気持ち伝えても。」
じっとこちらを見つめる真之助。
実直な男の、揺るぎない視線。
真之助は、本当に……
「俺にお前に止めろとか言う資格ねえよ」どんな顔をしていいか分からず、困ったような曖昧な笑みを浮かべて、乱馬は真之助にそう言った。



続く→

非公開コメント

  
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。